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鋼の抱擁/ラッシュ Caress of Steel/RUSH

鋼の抱擁/ラッシュ Caress of Steel/RUSH

鋼の抱擁/ラッシュ Caress of Steel/RUSH

RUSHは名盤がいっぱいありますし、聞き込んだ盤も他にあるのですが、実は一番聞きこんだのがこのアルバム。

rush_caress_of_steel 鋼の抱擁/ラッシュ Caress of  Steel/RUSH

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いや、これもよく聴きました。

LPでは当時1500円の廉価版シリーズでの発売でした。

鋼の抱擁とい日本版のタイトルが今見ると渋いですね。

CDはリマスター版で持っていて音質はまあまあです。名盤でないのに聴き込むにはそれなりに理由があって、このアルバムの場合は主に読書時のBGMに使っていました。

高校時代に割りと中世ヨーロッパ~近世辺りの雰囲気に惹かれたことがあって、そのころ父か母の蔵書のなかから見つけたラクロの『危険な関係』のGBMにこのアルバムがぴったりでした。危険な関係は日本では余り有名ではありませんが(誰もが知っていると言うわけではないですね)書簡体小説の傑作であると思っています(映画にもなった)。

生意気な高校生だった僕は長い夏休みの暇な夜などに紅茶入れて延々こんな当時の高校生が誰も読まないような小説を読んでいたものです。まあ其れはどうでもいいとして曲の解説のほうに行きます。


 RUSHの通算3枚目のアルバムですので幾分こなれていますが、まだソロ等は余り面白くなく荒削りな部分が見えます。しかしそこはRUSH!アンサンブルの組み合わせはバツグンですし10秒ぐらい聴けばすぐにRUSHの曲だとわかる個性があります(ゲディー・リーの声に寄るところが大きいですが)。

B面後半は組曲形式になっていて後の傑作アルバム『2112』に繋がる要素がいっぱい詰まっています。

LPのA面(CDだと前半部分)に良い曲が多いのですが、ヨーロッパくさいのはB面で、特にアルベジオ等を多用した静かなパートがBGMには良く合いました。

『No one at the Bridge』と言う曲は自分のバンドでライブやったときにコピーしました。コード進行はシンプルですが無駄が無く美しい曲です。

後の組曲『2112』はさらに単純なコード進行なのにリスナーを飽きさせない面白さとシンプルな美しさを持っていますが、こちらの生煮えのアイデアを詰め込んだ感じもなかなかよろしいかと思います。ドラムのニール・パートのロート・タムの音(ソロ部分)も今となっては新鮮です。