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不思議の国のマリス - ナザレス

不思議の国のマリス - ナザレス

Malice in Wonderland/NAZARETH

malice 不思議の国のマリス - ナザレス

ナザレスって70年代~80年代初頭のかっこいい雰囲気を出してゆきたいハードロック・バンド(例えばツェッペリンとか)と違ってちょっとやぼったいような雰囲気がありました。

ステージ写真を見ても頭にタオルみたいなの(クーフィーヤ?)を巻いてアラブ人か回教徒みたいなカッコしてましたし、髭もボーボー生やしていたので、ちょっと異端な感じがしました。Dan McCaffertyの声も汚いですしね。

しかしこのアルバムではなんとジェフ・バクスターがプロデュースというとんでもなくミスマッチなアルバムに仕上がっています。当時(70年代終わりごろ)音楽ファンの間でもブリティッシュ系を聞く人とアメリカンロック系を聞く人は割りとはっきり分かれていたように記憶しています。ジェフ・バクスターといえば『いなたいアメリカンロックの代名詞のようなドゥービー・ブラザーズ』と『洗練された大人のアメリカン・ロックの象徴のようなスティーリー・ダン』にいたというまるで分裂気質のような人(のちに音楽家ではなくアメリカ国防総省の軍事顧問になっちゃうなんて…同名異人かと思ったらご本人でした)です。

このミュージシャン/プロデューサーの組み合わせが今まで聴いたことのあるようなサウンドに仕上がるワケがありません。案の定出来上がったアルバムはハードロックファンを困惑させる?洗練されたものでした。

ヒプノシスのジャケットがまた印象的です。この頃のヒプノシスは、アルバム内容をジャッケットに視覚化させる天才ですね。

楽曲はというとドライブ感と透明感のある紛れも無いブリティッシュ・サウンド。ハードロックが洗練と土俗性のなかに渾然と織り込められていて聞くたびに感動です。しかもシンプル。

当時一部のRadio局でヘビーローテーションされスマッシュヒットしたというシングル曲『Holiday』も入っています。

チャートでもカナダで19位、ノルウェーで9位、米ビルボードでも41位まで上がり(英wikipedia)この手のアルバムとしてはまずまずの売れ行きではないでしょうか

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