怪異と乙女と神隠し - ぬじま

『怪異と乙女と神隠し』は面白い。
2025年3月末現在で8巻(2024/06/11発売)まで出ている。
次巻の発売予定日が来るたびにAmazonで紙メディアで予約している数少ないマンガだ。
前半から謎となっていた部分も徐々に徐々に開示されてきて収束も近づいてきている予感だ。
1話独立ではなく1巻程度単位の怪異がテーマとなり謎解きモノ的にそのテーマが数話~一巻話程度で回収されるが、回収されたテーマ(怪異)がキャラクターを代表として残り、次回の話以降に参加するという構成が今のところ繰り返されている。

扱う怪異も『きさらぎ駅』はともかく『塵輪鬼(じんりんき)』『変若水(おちみず)』『紅衣小女孩(ホンイーシャオニュイハイ)』と所謂、手垢のついていない一般のマンガ/アニメフファンには初見に近い人が多い素材なのも新鮮だ。
(京極夏彦の『姑獲鳥』はともかく『鉄鼠』『魍魎』『狂骨』などに通づるものを感じる。関口君シリーズでは怪異は次回以降には参加しないが、ストーリーと人物は連綿と続いてゆく部分が似ているといえば似ている)

古文書内の旧い記述から、都市伝説までが登場し時代を超えて幅広い。

また、主軸となる化野兄妹の謎、化野兄に恵体女子と称される作家【緒川董子】の人間的葛藤やビジュアル的魅力、二人の軽妙な会話と淡い恋慕感情などが混然一体と流れてゆくさまが心地よい。

何だかあと数巻で終わりそうな伏線回収が行われているが、いましばらくは楽しめそうだ。
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