キャンド・ファンク/ジョー・ファレル
Canned Funk / Joe Farrel

個人的な話になるが1983年の夏に一番聴きまくったのがこのアルバムだ。
なんといっても録音が悪く(臨場感とジャンクさを出すべく故意に4チャンネルか8チャンネルのカセットレコーダーで録音しているのでは?)、ベースの音なんかリミット・アウトして割れ割れになっている部分の方が多い。
しかし、その臨場感たるや半端ではない。長年ロック・バンドを趣味でやっていて、練習風景を録音(昔はカセットテープがメインだった)で記録していることが多い人には、この悪音質が逆に親近感を覚えるのでははないだろうか。
スタジオで練り上げた『商品として上品に整えられた音』に慣れているリスナーが聴いたら『なんだこれ?』と思うかもしれない(何しろライブですらない)。
ジョー・ファレルと言うとポップス&ロック畑の録音もこなしフュージョンシーンでも良質のソロを出しているが、私的にはチック・コリアとの競演を連想する(特にカモメ)。
この『キャンド・ファンク』は『一発取りでいきますぜ!お兄さん』と言う70年代半ばのJAZZシーンがフュージョン/ロック寄りになってきた時代に即した熱い内容になっている。
どちっらかといえばほぼロック寄りで、一人でレコードにあわせて弾いているだけで気持ち良い気分にさせてくれる種類のノリがこのアルバムにはある。
『CTIなんてどうせイージーリスニングだ』と言っていた当時のませたジャズ好きの友人に今改めて聴いてもらいたい。
熱くfunkyにブロウするジョー・ファレルは本当にかっこいい。
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