Firefly / Uriah Heep
これは本当に良く聴きました。同じLPを2枚、CDを2枚持っています。さらに紙ジャケットCDを買おうかとも考えているぐらいですから…相当気に入っているようです。
しかし『ファイアー・フライ』はユーライア・ヒープのアルバムとしては【いわゆる名盤】ではありません。
このアルバムは僕個人の人生の過渡期に存在したコーナーストーンと云うべきアルバムなので、他の人にはあまり価値はないものかもしれません。そういった意味ではもう客観的に聴けないアルバムであり今訊いても本来感じるはずの旧さみたいなものを感じ取れなくなっています。
通常ユーライア・ヒープのファンで有れば所謂【黄金期】のメンバーである、ケン・ヘンズレー(key)、デビット・バイロン(Vo)、ミック・ボックス(G)、リーカースレイク(Dr)、ゲイリー・セイン(B)が在籍したアルバムである『対自核』とか『悪魔と魔法使い』あたりを推すかと思います。
時代的にはブリティッシュ・ハードロックがパンク/ニューウェイブの台頭によって衰退期に入ってしばらくたった頃の1977年にリリースされています。バンド自体もそれまでの黄金期のメンバーからバンドの顔に近いボーカルのデビット・バイロンが抜けた後の最初の作品(ジョン・ロートンの加入1作目)となり、ベースも『幻想への回帰』 Return to Fantasy (1975年)、『ハイ・アンド・マイティ』 High and Mighty (1976年)と2作にわたり参加してきたジョン・ウェットンからトレヴァー・ボルダーに代わったばかり。
前任の強力な2名から比べると当時はパワーダウンしたように見えたと思います。
しかしこのアルバムは非常に良いです!
- 意味深(いみしん)で美しいアルバム・ジャケット(オリジナルLPは表面がサラサラした紙質で見開きです)。
- 情感たっぷりでデビット・バイロンより歌い上げるタイプのヴォーカルであるジョン・ロートンの声質と曲調のマッチング。
- 70年代後半らしいデジタル化直前のテクノロジーであるアナログシンセ類を多用した重厚なキーボード。
- 美しい(というか特徴のある)コーラス。
ハードでポップな曲もありながら泣きバラードもあり、ツボにはまったエフェクト処理ありと、個人的な好み満載のアルバムです。

